素っ気無し、愛想なし、配慮なしの佳奈多が送る シュール系ラジオ。2009年にTraffic jamで全13回放送(書いた)。実際にお便り募集を行なっていました
再アップのついでにお便りを増量加筆して再度お届け!
***
こんばんは。
私は風紀委の委員長を務めている二木佳奈多。
それじゃあ、さっそく始めましょうか。
『かなたんでGO!』
はぁ…。
7回目よ、7回目。
ここまで来るとラジオ番組が生活の一環になるわね…。
水曜日になると、授業中に「今日は何を話そうかしら?」なんて頭に浮かぶ自分が嫌だわ。
はぁ。
今日、久々に昼はクドリャフカとパン食だったんだけど…すごいわね、あそこ。
何ってあの混み様よ。
もう人、人、人。人の波。
クドリャフカなんて流されちゃって、いつの間にか学食の厨房にいたわ…。
パンを買おうと手を離したのがそもそもの失敗ね。
しかも必死に掴んだパンも最悪。
チーズあんシメサババーガーっていったい何よ…?
とろりと溶けたチーズに、あま~いあん。そこにシメサバの汁がまとわり付いて…。
一言で言うとそうね。
臭い。
これ以外の感想が思い浮かばない。
幽体離脱するかと思ったわよ…本当に。
クドリャフカの「佳奈多さんが買ってくれましたから……」という無理矢理な笑顔が見るに耐えなかったわ…。
食事中の人もいるかもしれないし、臭い話はこれくらいにしてお便りを紹介するわね。
ラジオネーム・あーたんさんから頂きました。
『かなちゃーん、お疲れさま♪ 毎回楽しく聴かせてもらってるわよ! あ、そうそう。ケーキが美味しい店を教えてもらったのよ。今回で半クール終了、ってことで明日にでもお祝いしましょ♪ 今度は私もゲストに読んでね~♪』
これ、またあーちゃん先輩!?
あの…あーちゃん先輩、ゲストではなく代わって欲しいのですが…。
はぁ…。
それに甘いものは好きじゃないんです。
いい加減覚えてください。
もしかしてあーちゃん先輩が食べに行きたいだけじゃ……?
(以下、佳奈多のセリフは『佳:』、美魚のセリフは『西:』です)
佳:今日もなんでもゲストが来ているそうよ。
佳:2-E組の西園美魚さん。
佳:とある情報筋によると、コアなファンが多いらしいわ。
西:こんにちは。西園美魚です。本日は宜しくお願いします。
西:コアなファンでしたら二木さんのほうが多いと思いますよ?
佳:私にファンって、このラジオを聴いてくれてる人かしら?
西:いえ、二木さんに怒られることが何にも変え難い喜びだとか、そういった方達です。
佳:……。
西:わたしの調べですと、あの冷たい目で睨まれただけでゾクゾクする、踏まれたい、罵られたい、あとは……。
佳:も、もう結構よ。
西:……………………。
佳:なによ?
西:……女王様……ぽ。
佳:やめなさい!
佳:ああもう! いつものコーナー!
西:はい。
佳&西:『かなちゃんのらぶり~アドバイス』
佳:リスナーの悩みをこの私、二木佳奈多が解決するコーナーよ。
西:今日はわたしもお手伝いさせてもらいます。
佳:前の葉留佳の時は散々だったけど、あなたとなら……まあ普通にやれそうね。
西:お悩み相談でしたらわたしも得意ですので大丈夫かと思います。
西:では1枚目のお便りをどうぞ、二木さん。
佳:ありがと。1枚目は、と。
佳:ラジオネーム・古式みゆきさんから頂きました。ありがと。
西:ありがとうございます。
『佳奈多さん、こんにちは。いつも拝聴しております』 ありがと、嬉しいわ。
『私は片目に眼帯をしているのですが、先日、もう一方の目がものもらいになってしまいました。どうしたらよいでしょうか?』
佳:両方眼帯でいいじゃない。
西:それは盲点でしたっ。見ようによっては格好良いかもしれません。
西:それに、何も目に見えるものだけが真実とは限りません。
佳:結構いいこと言うわね。
西:そうですか?
佳:次。
佳:ラジオネーム・濫心さんから頂きました。ありがと。
西:ありがとうございます。
『私、未だに傲慢と高慢の違いが分からないのですがどう違うのでしょうか?』
佳:漢字で書けるか書けないかよ。
佳:大同小異ってところじゃない?
西:いえ、漢字の違いは大きいですよ?
佳:そう?
西:古泉を小泉と間違えたら、それこそ袋叩きにあってしまいます。
佳:古泉? 誰、それ?
西:分かる人だけが分かればいいのです。
佳:ふーん。
佳:まあいいわ。次。
佳:ラジオネーム・匿名希望さんから頂きました。ありがと。
西:ありがとうございます。
『友達がやたらと斜め45度で自撮りしてfacebookに写メを上げるんですけど、どう見ても7代将軍徳川家継にしか見えません。どう褒めたらいいですか?』
佳:どんな顔だったかしら? あの辺、アイドルユニット並に多くて覚えてないのよね。
西:うろ覚えですが少し描いてみましょう。
佳:スケッチブックなんて持ち歩いているの?
西:いつ何時アイディアが降ってくるかわかりませんので……描けました。
佳:……これ徳光さん寄りじゃないかしら?
西:そうですか? では、お友達のfacebookに「じゃっかん徳光さん入ってるね」と褒めればよいかと。
佳:そうね。喜ぶと思うわ。どうでもいいけど。次。
佳:ラジオネーム・女の子じゃないんだからねさんから頂きました。ありがと。
西:ありがとうございます。
『いつもいつもみんなに女の子と間違われて、本当に困ってるんだ。僕だって、こう見えても実は結構男らしいところあるんだからねっ!
例えば……えっと。
む…胸毛なんてぼーぼーなんだぞっ
』
佳:ムリしなくていいのよ、直枝。
西:直枝さんがツルツルなのはよく知っています。
佳:こんな一生懸命なところが、余計にいいわよね……。
西:はい……バレバレな嘘までついて、わたしを萌え殺す気ですか……ぽ。
佳:癒されたことだし、次にいきましょうか?
西:はい、そうしましょう。
佳:ラジオネーム・銃さんより頂きました。ありがと。
西:ありがとうございます。
『最近自分が生き残るためにテロリストを殺す夢と助けた少女に刀で刺殺される夢ばかりみます。どうしたらいいでしょう?』
西:きっとそれは前世の記憶ではないでしょうか?
西:生き残るためにテロリスト……なるほど、わかりました。
西:銃さんの前世はブルース・ウィリス、と出ました。ビル内でダイでハードなことをなさっていたようです。
佳:それ、映画の中の話でしょう?
西:そんな細かいことは気にしてはいけません。
西:次のお便りです。
佳:ラジオネーム・春原陽平さんより頂きました。ありがと。
西:ありがとうございます。
『やぁ(笑)佳奈多! 元気し』 佳:死ねば?
西:いつになく直球ですね。
佳:ハァ……最近多いのよ、気安く声をかけてくる無神経な輩が。こう言えば少しは――
西:彼らの業界ではご褒美かと。今頃身をよじって悶えてるでしょう。
佳:え!?
西:…次。
佳:西園さん、それってどう――
西:ラジオネーム・相川君さんより頂きました。ありがとうございます。
佳:だ、大丈夫よ、わ、私が進めるから。
『この前、親切な方々のおかげで想い人(S・Sさん)のメルアドをゲットしてしまいました。あれからというもの全てが順調で、正直、結婚も視野に入れています。以前は2通に1通メールが返って来たのですが、最近では5通に1通ツン的なメールが返ってきます。これはやはり笹瀬川さんも僕を意識していることに違いありませんよね?』
佳:こういうの、何て言うんだっけ?
西:馬鹿ですね。
佳:馬鹿以外の何者でもないわね。
西:しかしある意味幸せ者ですね、彼。
西:なぜこの方はこんなにポジティブなんでしょうか?
佳:そんなの私に訊かないでよ。
佳:次いくわよ、次。
佳:ラジオネーム・となりの井ノ原くんさんから頂きました。ありがと。
西:ありがとうございます。
『この前井ノ原くんが「No Smoking」を「横綱ではありません」と訳してました』
佳:その発想に驚愕よ。
西:ここにまた新しい名言が生まれましたね。
佳:生まないで欲しいわ。ハァ……次。
佳:ラジオネーム・連邦の白い悪魔さんから頂きました。ありがと。
西:ありがとうございます。
『僕だ』 佳:誰よ?
『僕のライバルが重度のロリを患ってさ。この前なんて白馬に乗って高校生くらいの女の子をナンパしてるんだぜ? しかも別の17歳の女の子に対して「母になってくれるかもしれなかった女性だ」とか本当イミフなことを言い出したんだ! そのくせに、そのくせに僕よりモテるんだ!! もう腹が立って怒髪天を突いてアクシズ落としそうなんだけど、どうしたらいい?』
西:ギャップ萌え、という言葉を知っていますか?
佳:何それ?
西:いつもは気丈な人が、ふとした瞬間にドジな行動や可愛らしい素顔を見せることに心ときめかせることです。
西:きっと彼はそれを狙っているのでしょう。
佳:ふーん。私には関係もなければ理解もできない世界ね。
西:二木さんはどちらかというと萌えられる側ですからね。
佳:は?
西:――夕方、わたしがリトルバスターズの野球の練習が終わった後に教室に物を取りに行こうとしていた途中のことでした。
西:風紀委員の教室を通りがかった時、たまたま二木さんが一人で仕事をしていたところが見えました。
西:そのとき鬼の風紀委員長と恐れられている二木さんはとんがりコーンを食べていたのですが……
西:一回指にとんがりコーンをはめてから食べるという不思議なことをしていました。
佳:~~~~~~っ!?!?
西:三枝さんも同じ食べ方をしていましたので、もしかしたら――
佳:ああああああああれは、べっ、べっ、べっ、別に違っっ!
西:……お顔、真っ赤ですよ?
佳:~~~ッ!?
西:……ぺたり、と。
西:ほう。とってもほっぺが熱くなっていますが、どうかしたのですか?
佳:~~~っ!
西:恥ずかしかったのですか?
西:耳まで赤くして恥辱に震えている二木さん……これは堪りません。
佳:なっ、な~~っ! ~~~っ!
西:冗談が過ぎました。次に行きましょう。
佳:ああああああなたねっ!! ああああもうっっっ!! 私が読むからっ!
西:ムキになっているところも可愛らしいですよ?
佳:んぐ…ラジオネーム・筋肉革命さんからっ! ありがと!!
西:少しやりすぎましたね。今回はわたしが読んでも良いでしょうか?
佳:はぁ…はぁ…はぁ……なんかもう……お願い。
西:では。
『オ
西:あ。手が滑りました。
佳:私、もう拾う体力がないから。
西:後で清掃の方が片付けてくれるので問題は無いでしょう。
佳:じゃあ、次。
佳:ラジオネーム・(21)さんから頂きました。ありがと。
西:ありがとうございます。
『最近、趣味が高じて「ヒンヌー教」を開教することになったんだが、困ったことに我らが崇拝すべきヒンヌー神が未だ降臨なさらない。二木、誰か紹介してくれないか?(制限があるが、ここでは言いづらい)』
佳:いい加減3次元に目を向けてください…。
西:…………。
佳:どうしたの、西園さん?
――ガタッ。
佳:え、西園さん!? どこに行くの!?
西:わたし、新世界の神になってきます。
佳:は!?
佳:ちょっと西園さん!? ま、待ちなさい、西園さん! 西園さん、ちょっと――…………。
佳:……なんか今日はドッと疲れたわ……。