読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

SSブログ TJ-Novelists

アニメやマンガ、ゲームから妄想したSS(ショートストーリー)を書き綴るブログです。

Traffic Jam Products

45.沙耶、推して参いる! 後編

リトルバスターズ!

 

 

#前回までのあらすじ:沙耶が転校してきて、いきなり理樹に告白しましたw

 

 

 

「あたし、あなたのことが好きになりました」

 

…………。

……。

「え、ええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇーーーっ!?」

いやいやいやいやっ!?

は!?

えええ!?

な、なに!?

わけがわからないっ!!

頭の中は大混乱の真っ最中だっ!

救いを求めて、周りを見ると…!

「ほわわわ…パクパクパク」

「わふふ…パクパクパク」

小毬さんとクドは目を真ん丸にして口を金魚みたいにパクパクしている!

言葉が出てこない、って感じだっ!

「…………………………………………」

西園さんは最初ポケッとした顔をしていたけど…。

「……えっ!?」

口元に手を当て、あわあわと慌て始めた!

こんなに慌てている西園さんも珍しいっ!

「むぅ…これは」

来ヶ谷さんも珍しく真剣な表情っ!

「…………」

鈴はもう一言、唖然だっ!

「「……………………」」

って、真人も謙吾もなんで「先越されたーっ!?」とでも言いた気に、頭を抱えて固まっているのさっ!!

 

ど、どどど、どうしようっ!?

いきなり『好き』なんて言われてもっ!

「――そんなに困った顔をしなくていいわ」

目の前にいる転校生――朱鷺戸さんに目を戻す。

「そんなこと言われてもっ」

困るな、って言うほうが無理だ!

「別にあたしはあなたの気持ちを訊きたいわけじゃないの」

「今日会ったばかりだもの、どんな答えが帰って来るかぐらい簡単に予想がつくわ」

「だったらなんで……」

「――人は突然のアクシデントには素直に反応してしまうものよ」

「?」

いきなり話が変わった。

……よく話がつかめない。

「もちろんさっきの宣言は本気」

「けど、見たかったのは反応ね。あなたのじゃないわ」

「??」

「そうね…」

全てを見透かすような目線が周囲に走る。

「――ライバル、とか言う奴のかしら」

その言葉に、女性陣がピクリと反応した…気がする。

「クスッ」

「直枝くん――あ、やっぱり『理樹くん』って呼んでいいかしら? ファーストネームの方が呼びやすわね」

なぜか「理樹くん」のところは可愛らしい声で強調している。

「い、いいけど…」

「じゃあ理樹くん、これからよろしくね」

「う、うん」

「よろしく、じゃねぇよっ!!」

固まっていた真人が動き出した。

「おい、待てよっ」

「いやよ」

一言言い残し、朱鷺戸さんが颯爽とまたクラスのみんなの輪の中に戻っていく中……。

メラメラメラメラ~~~ッ!!

みんなの目がコワイことになっていた!!

 

――授業中。

「あー、ん。では、この問題」

「転校生いるね、ん。じゃあ朱鷺戸、これ解いてみろ」

「はい」

立ち上がり髪を、ふぁさ、と払うと黒板に向かう。

そして二捻りはしなきゃ解けない難しい問題なのに、事も無げにスラスラと問題を解く。

絵に描いたような優等生だっ!

「うひょーーーーっ、すげーッス完璧ッス美しいッスハートを狙い撃ちッスホントかわいいッス!!」

「あら、ありがとう、谷口くん」

しかも爽やかに大人の対応!

「…………」

その様子を見ている女性陣の顔は…。

む~~~~~~~っ!!

モンモンとしたオーラを放っている!

「…………ちっ」

えええっ!?

今、確かにクドの方から舌打ちが……気のせいだよね。

 

 

――キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン。

昼休みのチャイム。

それと同時に

「理樹っ」

「えっ!?」

いきなり真人に抱えられたっ!!

「どうしたって言うのさっ!?」

「大丈夫だ真人、あの女は気付いていない」

謙吾はなぜかしゃがみ込み、机の影から授業道具をしまう朱鷺戸さんを見ている。

「オーケー、理樹いくぜっ!」

「え、どこに!?」

「学食に決まってるだろっ!」

 

 

「…………」

「…………」

「…………」

「奇遇ね」

「ここしか空いてないみたいなんだけど、ご一緒してもいいかしら?」

「ああ、構わないぜ」

さっきまで教室にいたはずの朱鷺戸さんが学食にいた…。

「む~~~っ」

途端にふくれっ面になる鈴。

「どうした、鈴?」

鈴はふくれっ面のままポカポカと恭介を叩いている。

「てめぇ…」

朱鷺戸さんに詰め寄る真人。

「なによ」

「オレの理樹に手を出そうってなら…この拳が黙っていねぇぜ」

「理樹をどうこうするってなら、オレと勝負しやがれっ!!」

「ええええええーーーっ!?」

何を言い出すんだ、この人はーっ!

「はぁ?」

…案の定呆れている。

「――ここのオススメとかある?」

「やっぱり日替わりかなぁ」

どうやらスルーする方向に決めたようだ。

「んだよ、逃げんのかよ?」

ピクリ。

朱鷺戸さんの動きが止まった。

「………………いいわよ」

「って、朱鷺戸さんーっ!?」

「おっ、やんのか?」

「吠え面をかかせてやるわ!」

やる気まんまんで真人とにらみ合っているしっ!

「待て待ておまえら」

「今は昼飯時だ。こんなところでバトルを始めたらみんなに迷惑だろ」

「ここは学食らしく、早食いで勝負だ」

 

 

「――勝負は単純だ」

真人と朱鷺戸さん、向かい合って座る二人の前にはカツ丼が乗っかっている。

「そのカツ丼全て、どっちが早く食い終わるかだ」

「へっ、どうやら勝利の女神はオレに微笑んでるみてぇだな」

たしかに…カツ丼なら真人の方が断然有利だ。

「謝るなら今のうちだぜ、お嬢さまよ」

「あー弱い奴ほどよく吠えるって言うけど、ホントみたいね」

「んだと…」

朱鷺戸さん、すごい大口叩いてるけど…いいのかなぁ。

イメージとしては、小さな口に上品にご飯を運んでいそうな感じがするんだけど。

「――よし、では構え!」

ザッ、と二人が箸を構える!

「ゲームスタート!」

恭介のコールが切られた!

「ガツガツガツガツガツッうめぇーっ!」

さすが真人だ!!

まるで掃除機のようにカツとご飯が口に吸い込まれていく!!

これじゃ朱鷺戸さんに勝ち目なんて…。

隣の朱鷺戸さんに目を向けると。

「ぐわっつぐわっつぐわっつ、モシャモシャモシャ、ふごふご、モッシャーッ!!」

とんでもない勢いでドンブリをかっ食らっていたっ!!

さっきまでの優等生な雰囲気は消し飛んでいるっ!!

「うおっ!? やべっ!? ガツガツガツガツガツーッ」

あまりの食いっぷりに、あのカツ魔王の真人が焦っている!!

「ぐわっつぐわっつぐわっつモッサモッサモッサ、ピタッ」

突然、朱鷺戸さんの箸が止まった。

「ハ…」

「ハ…ッ」

「ハックショーーーイッ!!」

って、女の子にあるまじき豪快なクシャミっ!!

「……………………」

「うあ、真人…」

箸がとまった真人の顔を見ると、朱鷺戸さんが口から飛ばしたご飯粒まみれだっ!

しかも、箸に持っていたカツふた切れがあまりの衝撃に落下。

「あ…」

「……」

「……」

「……」

「……」

「ぐわっつぐわっつぐわっつ、モシャモシャモシャ、ふごふご、モッシャーッ!!」

「って、何事もなかったかのように食い始めるんじゃねぇよっ!!」

「っつーか、オレのカツふた切れどうしてくれるんだよっ!!」

朱鷺戸さんの体をユッサユっサと揺さぶる!!

「ぽりぽりぽりぽりぽりぽりーっ」

朱鷺戸さんはそれに全く動じずにおしんこをかじりまくっている(しかも揺さぶられているお陰で消化に良さそうだ!)

そして。

「――勝者、朱鷺戸!」

「いよっしゃ、勝っっったぁぁぁぁぁーーーっ!!」

勝利の雄叫びを上げちゃってるよ…。

さっきまでの優等生な朱鷺戸さんはどこに行っちゃったのさ…。

「うおおおおおぉぉぉーっ、まったく納得いかねぇぇぇーーーっ!!」

対して、真人は顔にご飯粒をくっつけたまま悶絶している。

「あーっはっはっはっは、このあたしに勝負を挑んだ時点で負けが確定してるのよっ!」

「理樹くんも見た!? あたしの華麗な勝利を…」

「…………」

しまったぁ、という表情になる朱鷺戸さん。

「今のみてた…?」

「いやまあ、隣だし」

「……」

「……」

「うんがーーーーっ!!」

「えっ!? なんで僕キレられてるのっ!?」

「……」

「ぶつぶつ……こんな格好見られて嫌われたらどうすんのよ、あたし……ぶつぶつ……」

「すげぇアップダウン激しいテンションで戻って行ったな…」

背を丸くしフラフラと歩き去る朱鷺戸さんを唖然と見送る僕たち。

「なかなか面白い奴が入ってきたじゃないか」

「そうだね……」