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SSブログ TJ-Novelists

アニメやマンガ、ゲームから妄想したSS(ショートストーリー)を書き綴るブログです。

Traffic Jam Products

19.恋する鈴

リトルバスターズ! NL 恋・愛

日記より。

>突発性思い付きSS

今日話をしててフと思いついたSS。

なーんか昔、こんなシチュの何かを見たような見なかったような……いまいち思い出せません(^-^;

 

 

 

 

「鈴、僕のカップゼリーあげるよ」

「わるいな」

「すげぇ嬉しそうな顔だな…おまえ、どんだけカップゼリー好きなんだよ?」

嬉しそうな顔してるのはとーぜんだ。

だって理樹がくれたんだぞ。

「…」

少し顔を上げて理樹の顔をのぞきみる。

理樹の笑顔があたしに向いている。

 

あたしは

理樹が好きだ。

 

 

朝。

「ごちそーさま」

理樹と馬鹿兄貴と馬鹿二人といつものように学校に向かう。

あたしはいつも、理樹のちょっと斜め後ろを歩いている。

そして、いつものように理樹の制服の後ろ裾を軽く掴む。

われながらすごい成長だな。

前はぐーぜんを装って、少し手の甲を当てるのが精一杯だった。

うん。

われながらすごい成長だな。

……こいつはあたしのことをどう思ってるんだ?

今日もカップゼリーをくれたし、5日前もカップゼリーをくれたとこを見ると…これは理樹もあたしに気があるのかもしれん。

「どうしたんだ鈴? 顔が赤いぞ?」

「ふみゃ!? な、なんでもないっ!!」

謙吾のやつ、目ざとすぎるぞっ!

「――お、あそこに見えるのは小毬じゃないか?」

恭介が見たほうを見る。

「あ、りんちゃーん、恭介さん、それに理樹君たち~!」

「おはよ~」

「って、オレと謙吾は省略かよっ!?」

「きょーすけ、あたしはこまりちゃんと教室に行く」

「ああ」

なごりおしかったが、理樹の制服をはなしてこまりちゃんと一緒に教室に向かうことにした。

「うん、いこ~」

あたしが理樹たちから離れて、こまりちゃんと歩き始めたとき。

後ろから知った声がした。

 

「直枝さん、おはようございます」

「おはよう、笹瀬川さん」

「……あの……その……」

「どうしたの?」

「少し…お時間よろしいでしょうか…?」

「あ、うん。別に構わないけど」

 

「どうしたの、りんちゃん? 教室はこっちだよ」

理樹たちのほうへ行こうとしたけど、こまりちゃんに呼び止められてしまった。

「……ま、まちがった」

「りんちゃんはあわてんぼさんだね~」

そうしている間に、理樹がささみと中庭の方へきえてしまった。

なんだ…この胸のモヤモヤ。ヤな感じだ。

 

昼休み。

いつものように学食に来た。

今日は理樹もあたしの前に座っている。

……理樹は今朝、ささみと何話してたんだ?

気になる。

「理樹」

「何、鈴?」

「さっき、ささ……」

「ささ…うーみゅ…」

「ささ…何?」

「ささ……」

「ささきこじろーはかっこいーな」

なんだか訊きづらくて、ごまかしてしまった。

「ほう…鈴が興味を持つとはめずらしいな。そんなに好きなら、佐々木小次郎の魅力について語ってやろう」

「いらんわっ」

「わ、謙吾…目がキラキラしてるね」

「おうとも!」

「佐々木小次郎はな……」

結局、謙吾の長話がえんえん続いて、理樹の話を聞くことができなかった。

 

放課後。

「みんな、飛んでいったボールを集めてきてくれ」

「鈴、おまえは中庭の方を頼む」

「わかった」

――中庭に行くと。

(あれはささこの取り巻きっ)

ささこの取り巻きが、中庭のベンチで何かを話している。

「……で、最近佐々美様、あのなんだっけ…あの女の子」

「女の子じゃないでしょ…あれでも男。たしか直枝理樹、でしょ?」

「そいつそいつ」

「今日、授業の間の休み時間さずーっと一緒に仲良く話してたよ!」

「しかも佐々美様のあのモジモジっぷり! 直枝のほうもいい反応!」

「え、それって…もしかして、もしかしたりしてー!!」

………………。

…………な

なにぃーっ!?!?

 

 

次の日の朝。

「どうしたの?」

「なんでもない」

あたしはいつもよりもギュッと理樹の服を掴んだ。

…………。

ささみは来なかったな。

きっと、昨日はたまたま学校の用か何かがあっただけだな、うんうん…。

それにささみには謙吾がいるはずだろ。相手されてないが。

……。

胸がむちゃくちゃモヤモヤする。

 

お昼休み。

いつものように学食に集まったが…理樹が、いない。

けど、理樹は昼は毎日学食にくるわけじゃない。

……うみゅみゅ……。

……ささみの顔がよぎる。

「ま、まま真人、きょう理樹はどーしたノダ?」

へーじょーしんを装って真人に訊いてみた。

「俺も誘ったんだけどよ…今日は違うとこで食うとよ」

真人の奴もションボリしてる。

「どうした我が妹よ、理樹がいなくて寂しいのか?」

「そ、そんなわけあるかっ!!」

この馬鹿兄貴、でりかしーぜろだっ!

「今日は天気もいいしな。理樹っちのことだから屋上で小毬とでも食べる約束でもしてたんじゃねぇか…くそぅ、小毬に理樹を取られちまったのかよっ」

な、なんだこまりちゃんと一緒だったのか。

ふぅ~~~…。

「いや、今日は……」

「何でも笹瀬川と食べるって言ってたぞ」

その言葉で、目の前がまっくらになった。

……。

いつもみたいに「冗談だ」っていえっ…いってくれっ。

「…そういや理樹のやろう、最近笹瀬川とべったりな気がしねえか?」

「案外、あの二人って――」

「うっっっっっさーーーいっ!!」

 

ガチャーンッ!

 

「うおおおおおぉぉぉーーーっ!? オレのカツ丼が一瞬で床と同化しちまったぁぁぁーーーっ!!」

ふみゃーっ!!

こうしちゃいられないっ!

あたしは立ち上がって、理樹のところへ向かおうとした。

「鈴、待てっ」

きょーすけに手を捕まれる。

「やりすぎだ」

「しらんっ!」

兄貴を無視して行こうとしたけど…。

「真人は別に何もしてないだろ…見ろ、真人を」

「……グッバイ・マイ・スイートハートよ…」

真人は涙にむせながら、床に散らばったご飯を集めていた。

「…………」

「…ご、ごめん」

お昼は片付けだけで終わってしまった…。

 

 

朝。

みんなで一緒に朝ご飯を食べて学校へ向かう。

いつもどおりだ。

あたしはいつものように理樹のちょっと斜め後ろ。

いつものように手を伸ばし――

「みなさん、おはようございます」

「あ、笹瀬川さん」

「じゃあ、僕ちょっと笹瀬川さんのところにいくね」

 

あたしの手が…

伸ばした手が…もうとどかない。

 

昼休み。

ささみの教室に足を向ける。

あたしは、きっと…きっと…信じたくないんだ。

あれはうそだ。

理樹はきっと別のところでご飯を食べている…。

信じたくない、そんなの…。

 

教室では、

ささみがお弁当を広げていて

……理樹と笑いあっていた。

 

 

放課後。

「鈴、ちょっと話があるんだ」

理樹のほうから話しかけてきた。

「あっ、あたしには……ないっ!」

今は、理樹と話ししたくない…!

「おまえの顔なんて見たくないっ!」

「ちょっと鈴、どうしたのさ?」

理樹があたしの手を掴んだ。

 

――ぱしっ

 

あたしは…その手を払ってしまった。

「「 あ… 」」

とてもとても悲しそうな顔をする理樹。

その顔を見たら…そこから動けなくなってしまった。

それでも、理樹は言葉を続けた。

「実は、笹瀬川さんのことなんだ」

理樹の口から訊きたくない名前が出た。

きっと理樹は…理樹は……。

そんなの…ききたくない。

ききたくないっ!

逃げたい。

けど…逃げたら、きっとこのヤな気持ちがずっと続くにちがいない。

いつもは助けてくれる理樹が…今はもう、ちがうんだ…。

もう、どうしていいかわからない……っ

 

「笹瀬川さんがね……」

「鈴と友達になりたいんだって」

 

「……」

「……」

「……」

「……?」

「だから、笹瀬川さんが鈴と友達になりたいんだって」

「ずっと笹瀬川さんから、そのことを相談されてたんだ」

「ずっと?」

「うん、昨日もおとといも」

「僕は、自分で直接鈴に言ったほうがいいって説得しようと頑張ったんだけど……」

「笹瀬川さん恥かしがり屋でさ…僕に答え聞いてきてってさ」

「今まで鈴に突っかかってきたのは、その気持ちの裏返しだったみたいだよ」

「笹瀬川さんはさ、素直じゃないだけなんだ」

「だから、変に嫌わないで友達になってあげてよ」

頭がくちゃくちゃ混乱している。

「……理樹はささみと付き合ってるんじゃないのか?」

「え、ええーっ!? いやいやいや、それはないから!」

「一緒にご飯食べてただろ?」

「一緒にご飯食べただけじゃ付き合ったことにならないし、その鈴のことの相談を受けてただけだからね」

「ささみと理樹は何もないのか?」

「いや…どこでそうなっちゃってるのかわかんないけど、なんにもないから」

「なんにも?」

「うん、なんにも」

「本当か?」

「本当だって」

「……」

「……」

「……」

「……」

「って、鈴っ!? な、な、なんで泣いてるのさっ!?」

「な、なんでもないっっ!!」

「いやっ、けどっ」

「なんでもないっていってるだろっ!」

――ぽこぽこぽこーっ!

「ちょ、ちょっと鈴、叩かないでよっ」

「もう、どうしたのさ…ほら」

理樹があたしの目をハンカチで拭く。

けど、あたしの目からは涙がどんどん溢れ出る。

「理樹の…理樹の……っ」

「ばかーっ!!」

「え、えええぇぇーっ!?」

「理樹のばかっ、アホっ、ボケっ、おたんこなすっ、すかぽんたんーっ!!」

「えええーっ!? な、なんで僕そこまで言われてるのーっ!?」

………………。

…………。

……。

「鈴、落ち着いた?」

「……おちついた」

「これは理樹にはバツゲームをさせる他ないな」

「どうしてそうなるのさっ!?」

「あたしを泣かせただろ、重罪だ」

「……うっ…そ、それは…」

「バツゲームの、な、内容はだな…」

 

「あ、明日から、朝は、あ、あたしと…手を繋いで歩けっ!!」

 

 

 

 

恋は盲目。

いつもなら気に留めない些細なことも、人生を揺るがす大事件として捉えてしまうものですw