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SSブログ TJ-Novelists

アニメやマンガ、ゲームから妄想したSS(ショートストーリー)を書き綴るブログです。

Traffic Jam Products

147.理樹のパンツ

#シチュ:理樹だけが寮会の仕事でいないようです。

 

 

 あたしが学食でレノンたちとみゃーみゃーしてたら、他のみんなもぞくぞくと集まってきていた。

「なんだ、おまえらもヒマなのか?」

「外で雪合戦を企画していたんだけどな。外がこの様子じゃ校庭で遭難しかねん」

 馬鹿兄貴の言うとーり、外を見ると猛吹雪だった。

「フン、吹雪程度で外に出たくないとはな。真人、俺と一緒に外で寒風摩擦をしないか!」

「しねぇよ…」

「わふー…お外で遊びたかったのですー…ですー…すー…」

 なるほど。

 どーりでレノンたちもここに集まってきているわけだな。

「……やはりこういう日は熱いお茶に限ります」

「ふむ、私はお茶ではなく紅茶でもいただこうか」

 みんなもお茶を飲んだりしてくつろぎ始めていた。

「――ん?」

「どうしたの、りんちゃん?」

 みんないるけど理樹だけ見当たらないぞ?

「理樹はどーしたんだ?」

「理樹君なら今日は寮会でかなちゃんたちのお手伝いだって」

「ブーブーブー、理樹くんいないとつまんなーい。ぶすーっ」

「うぉっ、三枝てめぇっ! オレのカツサンドに指突っ込むんじゃねぇよっ!」

「やーやーごめんごめん。お詫びに食べてあげますネ。モグッ」

「だぁぁぁーーーっ!? マジでコイツ食いやがったぁぁぁーーーっ!!」

 相変わらずうっさいヤツらだ。

「……ところで前々から気になっていたのですが」

 

――コトリ。

 

 みおがお茶をテーブルに静かにおいた。

「……直枝さんはブリーフ派でしょうか、それともトランクス派でしょうか?」

 その瞬間、うっさかったみんなが一斉にみおの方を向いた!

「理樹の…パンツ…!?」

 馬鹿兄貴なんて少女マンガの主人公みたいに大げさにのけぞっている。

 反応しすぎできしょいな。

 けど理樹のぱんつか…。

 ……。

 ……。

 うみゃっ!?

 想像なんてしてないぞっ!

 ぜっ、全然あたしは気にならないからなっ! ホントだぞっ!

「そういったことならば真人に訊けばいいんじゃないか?」

「謙吾少年の言う通りだな。して、どうなんだ真人少年?」

「そうだなぁ…」

 考え込む真人。

「あいつ男のくせに脱衣所とかでコソコソ着替えしやがっからなぁ」

「体育の時も一人カーテンに隠れて着替えていたな」

 真人と謙吾が二人でうんうんと頷いている。

「……さすが直枝さん。鉄壁の守りですか」

「――今日のミッションはそれで決まりだな」

 突然きょーすけが立ち上がった。

「ふえ? ミッション?」

「おまえら、今から――」

 

「理樹の履いているパンツを確認しにいくぞ!」

 

「「「「「「「「「おーーーーーーーーーっ!!!」」」」」」」」」

 

 

 

「――ふぅ、ふぅ…重いなぁ…」

 

 壁の影。

 そこからみんなで顔だけだして、理樹が荷物を運ぶ様子を見ていた。

「けどさ、どうやって理樹くんのパンツなんて確認すんの?」

「んなもん、さりげない会話から聞き出せば言いだけに決まってんじゃねぇか」

「じゃあトップバッターは真人な」

「よし、行くぜ」

 真人が理樹の方へ向かっていった。

 

「よ、理樹っち!」

「あれ真人、どうしたの?」

「今日もいい天気だな!」

「めちゃくちゃ吹雪いてるよね…。仕事あるから先に行くよ」

「仕事なんていいからよ、一緒にズボン脱ごうぜっ!」

「なんでそうなるのさーーーっっっ!!」

 

 追い返された真人が戻ってきた。

「へ……ノリの悪ぃ奴だぜ」

「こいつバカだっ」

「うむ、その馬鹿さ加減が真人少年らしいな」

「それ馬鹿って言ってるだけじゃねぇかよっ!!」

「じゃあ、次は私いくよー」

「小毬か…不安だが任せた」

「うん、任せてー」

「こまりちゃん、がんばれ」

「うん、りんちゃんありがと~」

 こまりちゃんが理樹に向かって走っていった。

「…コマリマックスは大丈夫なのか?」

 

「理樹くーんっ」

「あ、小毬さん」

「理樹くんに質問があります」

「うん、何?」

「えとね」

「うん」

「今、どんなパンツ履いてますか?」

「ブフーーーッ!!」

 

 こまりちゃんが戻ってきた。

「うあぁぁぁーーんっ、正直に聞いただけなのに理樹君にすごい変な目でみられたーっ」

「小毬…今のはストレートすぎだろ」

「ぶっちゃけありえませんネ」

「うあぁぁぁーーーんっ」

「う、うみゅ…」

 う…こまりちゃんの味方をしたいけど、うまく言葉がうかばない。

「まったく、不甲斐ない」

 謙吾が前に出た。

「ここは百戦無敗のオレに任せろ」

「ついに我らが謙吾の出番か……何か策でもあるのか?」

「ああ」

「理樹に前屈姿勢をとってもらう」

 いきなり謙吾が前かがみに体を曲げた。

「こうすれば尻がぴちりとして、パンツのラインが浮かび上がるはずだ」

「……ほう、ぴっちりですか」

 なんでみおの目は輝いてるんだ?

「あれ? けど、謙吾くんの袴にはパンツラインが出てないですヨ?」

「俺はフンドシだからなっ。はっはっはっ」

「「「「「……………………」」」」」」

「いや、冗談なのだが…」

 こいつが言うと冗談に聞こえない。

 

 

「理樹、ひとつ頼みを聞いてくれないか?」

「いいよ」

「前かがみになってくれ」

「いいけど……よいしょっと」

 理樹が前かがみになった。

「これでいいかな?」

「――むぅ!」

 そのおしりに謙吾が注目したときだ。

「……っ!? ひゃ、ひゃゎぁぁぁぁぁーーーっ!?」

――ビチンッ!!

 理樹のビンタが飛んだぞっ!

「……あっ! ご、ごめん謙吾っ」

「そのっ…いきなり…その…おしりをマジマジと見られたから……」

 

 …ほっぺに赤い手形をつけた謙吾が戻ってきた。

「……フッ、これはこれで嬉しい」

「こいつ変態だろ…」

「……」

「わふー…恭介さんはどうしてそんな羨ましそうな目で宮沢さんを見ていらっしゃるのですか?」

「う、羨ましくなんて思ってないからな…マジで」

 うみゅ。

 あれはきょーすけがウソついてるときの目だ。

「ふむ、謙吾少年と恭介氏にそういった性癖があるとはな。まぁ、どうでもいいが仇は私とってやろう」

 くるがやがケータイ電話を取り出した。

「おっ、ついに姉御の出番ですかい!」

「ゆいちゃんもがんばってーっ」

「こういうものは直接顔を合わせていなければ言いやすいものなのだよ」

 

――ピッ、ポッ、パッ、プルルル~。

 

 『もしもし』

「……はぁ……はぁ……今、何色のパンツを履いている?」

 うみゃっ!

 これじゃただの変態電話だろっ!

 『今? ちょっと待って……えーっと』

 『水玉よ』

 

「……」

 くるがやが止まった。

「この声、もしや寮長か?」

 『その通り』

 『荷物を運ぶ邪魔になるからって直枝くんからケータイを預かってたの』

 『うふふ、あんまり直枝くんをからかっちゃダメよ』

 

 くるがやがケータイを閉じて、クルリと別の方を向いた。

「寮会へ行って確認をしてくる」

「ダメですヨ」

「ダメだよ、ゆいちゃん」

「ちっ」

 …止めなかったら本当に行ってたところだな。

「では、みなさんの仇はこの不肖クドリャフカがとりますっ!」

「なんだぁ、ミニ子か」

「がーんっ、全然期待されてませんっ!?」

「だってミニ子だしなぁ」

「今回は大丈夫ですっ! 作戦がありますっ!」

「クーちゃんの作戦ってどんなの?」

「フッフッフ…古代から日本に伝わる大技『ズボン下げ』をするのですっ!」

「これでリキに有無を言わさず確認できますっ!」

「「「「「「おおおおーーーっ!」」」」」」

 みんな目がキラッキラとしてきたっ!

「ですが、一人ですと恥かしいので……」

 クドの目が真人に向けられた。

「井ノ原さん、一緒にリキに向かいましょうっ!」

「この俺を選ぶとはな……」

「任せておきなっ!! いくぜ、クド公よっ!」

「……井ノ原さんの方が無駄に気合いが入っていますね」

 真人がクドより先に走り出したぞっ。

「わふーっ、井ノ原さん待ってくださいーっ」

 

――ズダダダダダーッ!

「うおぉぉぉーーーっ!」

「待ってください、井ノ原さーんっ」

 二人が理樹に向かって突っ走っていく。

「うわわっ、二人ともそんなに走ったら危ないよっ」

「理樹ーっ、クド公がそこに行くまで動くんじゃねぇっ!」

「え? は?」

「待ってくださーいっ……わふっ!?」

 

――ガッ!

 クドがつまづいた。

 

「わっわっわっわっ!?」

――わしっ。

 クドの手が前を走っていた真人のズボンを掴んだ。

「へっ!?」

「わっふーーーっ!?」

 そのままクドが前のめりにダイブだっ!

――ずるるーっ!!

 

「…………」

 クドが転んだ拍子に、真人のズボンがズリ下ろされた。

 

「だはああああああぁぁぁぁーーーっ!?」

 真人がパンツ一丁になってた!

「いたたた……」

「わ、わふーっ!? 井ノ原さんがまさかのモロパンになってしまわれましたーっ!!」

 

「真人の見事なまでのガラパンだぜ…」

「……うぷっ」

「西園女史、しっかりしろ! 汚れたものを見てしまったせいだな」

「葉留佳君、エチケット袋だ!」

「へ!? みおちんしっかりーっ!」

「ふえぇぇぇーっ」

 もう、くっちゃくちゃの騒ぎだっ!

 

「落ち着いたところで、ミッションの続きをしたいと思うんだが……西園、大丈夫か?」

「……はい」

 みおがフラフラと立ち上がった。

「……三枝さん、私一人では難しそうですので良かったら私と組みませんか?」

「え、いいですヨ?」

「……では」

 ゴソゴソと鞄を漁って、2冊の薄い本を取り出した。

「何ですか、これ?」

「……こちらはブリーフを履いた古泉が表紙の同人本、こちらはトランクスを履いたキョンが表紙の同人本です」

「……これを直枝さんの前に同時に落として、どちらを先に拾うかで確認しましょう」

「いかにも西園らしい作戦だな」

「……恭介さん、その言葉は褒め言葉として受け取っておきます」

「……三枝さんには、そのさり気なさを装い落とす役割を頼みたいかと」

「あいよっ!」

 はるかが本を受け取り、大きなダンボールを運んでいる理樹の方へと歩いていった。

 

「――よいしょ、よいしょ」

「ぷふふっ」

 はるかがその前を通りかかって…。

 

――ぱさっ

 

「……いい感じです」

 お、すごくそれっぽく落としたぞっ!

「さり気ねぇ…三枝にしちゃ珍しいぜ」

 

「よいしょ、よいしょ…」

 大きなダンボールを持った理樹が通りかかって……。

「よいしょ、よいしょ…」

 通り過ぎた!

「へっ!?」

 

「どうやら理樹君は持っていたダンボールで見えなかったようだな」

「……残念です」

 けど、そのとき。

「――葉留佳、本を落としたわよ」

「へ…?」

「はい、これ」

「お、お姉ちゃんっ!?」

「なに? 驚きすぎ」

「あっ、あの、そっ、その、その本はねっ!」

「この本がどうかし――」

 一ページめくったふたきの手が、とまった。

「……」

「……」

「……」

「……」

「……葉留佳……」

「は、はいっ!」

「相談室まで来なさい」

「ひ、ひぃぃぃーーーっ!」

 葉留佳はそのまま耳を引っぱられてどっかにいってしまった…。

 

「……後ろから二木さんが歩いてくるとは誤算です」

「危険を伴うとわかっていたからこそ自分では行かずに葉留佳君に実行させた……西園女史もなかなかの策士だな」

「……そんなことはありませんが」

 うーみゅ、みおの口元が少し上がってるな。

「三枝がいなくなっちまったが……ラストで俺が決めてやるぜ!」

 馬鹿兄貴が自信満々に前に出た。

「恭介なら出来ちまいそうで怖いぜ…」

「ああ、恭介ならばやってくれると信じているぞ!」

「恭介さん、がんばってーっ」

「はは、任せておけって。俺が戻る頃には理樹のパンツがブリーフかトランクスか白黒がついてるぜ」

 きょーすけがいきよーよーと理樹の方へと向かっていった。

 

「理樹」

「あっ、恭介」

「重そうな荷物だな、俺にも手伝わせてくれ」

「え、けど……」

「いいって。どこまで運ぶんだ?」

「じゃあお願いしちゃおうかな。放送室までだけど、いい?」

「ああ。一緒に運ぼうぜ」

「うんっ」

 

「さすが恭介氏、ゆっくりと理樹君の心を溶かしてから話を進める気だ」

「ちぇ、理樹もなんだよ、嬉しそうにしちまってよ」

「うみゅみゅ、馬鹿兄貴は理樹の操縦がうまいからな」

「……なにやらジェラシーを感じます」

 みんなで二人の後をこっそりとつける。

「放送室に入って行ったよー」

「むぅ、中から声が聞こえてくるな」

「何を話しているのでしょうか?」

 壁にぴったりと耳をつけると、中から声が聞こえてきた。

 

「ん、理樹」

「なに?」

「おまえ…ズボンに穴が開いてるじゃないか」

「え、うそ?」

「安心しろ、ソーイングセットを持ってきてる」

「縫ってやるからズボンを脱いでくれないか?」

「ブッ!? いやいやいや、そんな――」

 

――ガラガラガラッ!

 中で人が動く音がした後に荷物が落ちる音がした。

 プッ。

 ん? さらに別の音も聞こえた。

 

 上を見上げる謙吾。

「この音…校内放送のスイッチが入っていないか…?」

「……面白くなってきました」

 

 謙吾が言うとおり、スピーカーから二人の声が聞こえてきた。

 

 『ザザッ…はは、理樹はドジだな』

 『いきなり恭介がズボン脱げとか言うから…』

 『まぁそのままでもいいんだが、脱いでもらったほうがやりやすいからな』

 『……』

 『なに、すぐに終わるさ』

 『……ホント?』

 『ああ』

 

「……ここだけ聞くと、完全に勘違いしてしまいますね……ぽっ」

 

――ずだだだだだだーーーッ!!

 

「うおっ!? 教師が血相を変えて走ってきやがったぞ!?」

「マズいな……あとは恭介氏に任せて我々はずらがるぞ!」

「ふえぇぇぇーっ!」

「わふーっ、逃げろなのですーっ!」

「理樹、すまん!」

「馬鹿兄貴、おまえのことは忘れんっ!」

 

――みおの話だと、この日から恭介と理樹の熱狂的なファンが増えたそうだ。