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SSブログ TJ-Novelists

アニメやマンガ、ゲームから妄想したSS(ショートストーリー)を書き綴るブログです。

Traffic Jam Products

143.クリスマス・プレゼント

リトルバスターズ! ギャグ

 

 

 #シチュ:また恭介が何かを企んでいるようです。

 

――宴の後の学食。

「ねむねむです~…」

「……片付けも終わりましたし、そろそろお開きにしませんか?」

「それもそうだな」

 時計を見ると、もう午後11時になっていた。

「ふわぁあ~。私も眠くなってきたから部屋に戻るねー」

「お姉さんも戻るとするか」

 リトルバスターズ全員のクリスマスパーティーも終わって、みんなが寮に戻っていった。

 

 

「……で、どうして恭介たちは僕の部屋に集まったの?」

 解散したはずなのに、恭介と謙吾が僕と真人の部屋に集まっていた。

「実はな」

 恭介が僕たちの目の前に大きな袋を置いた。

「こいつをリトルバスターズのみんなに配って歩こうと思ってな」

「んだよ、これ?」

「プレゼント」

「プレゼントってまさか……クリスマスの?」

「お、さすが理樹。察しがいいな」

 恭介の目がキラリと光った!

「今から寝ている女子メンバーの枕元にプレゼントを配って歩く!」

「「えええーっ!?」」

 また恭介が突拍子もないことを言い出した!

「恭介…それは少々まずいのではないか?」

 冷や汗を流している謙吾。

 寝ているみんなの部屋に入るというのは倫理的にどうなんだろう…。

「安心しろ」

「欲しいプレゼントは事前に聞いてから用意しておいた」

「いやいやっ、問題はそこじゃないでしょっ! 夜に女子寮に行くっていうのはどうなのさっ!」

「なんだそっちか」

 そっちもこっちもないと思う。

「確かに見つかったら一大事になることは間違いない」

「わかってるならいいけど…」

「だから――絶対に見つかるな」

「ブッ!?」

 決行する気まんまんだった!!

「なんせ俺たちはサンタクロースだからな。姿を見られるわけにはいかない」

「姿を見られたら夢が壊れちまうだろ? 違うか?」

「夢って一体なにさ…」

「それにもうプレゼントを買っちまったからな。やらなきゃもったいない」

 それもそうなのかもしれない。

「フン。付き合ってられんな」

 謙吾が溜息をつくと、立ち上がりドアへと向かった。

「そうか謙吾は帰っちまうのか…サンタコスを用意しているんだがな。理樹の分だけだが」

「なにぃっ!?」

 超反応で180度ターンをした!!

「それを早く言え!!」

「なんでそこで食いついてくるのさっっっ!!」

 じゃなくてっ!

「僕がまたコスプレするのっ!?」

「お前のためだけに買ったんだぜ?」

 恭介の真剣な眼差しが僕を射抜いている…。

「け、けど…ぼ…僕…………」

 …………。

 ……。

 

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「うわああああっ!! なんで着ちゃってるのさ、僕っ!!」

 断りきれない自分が憎いっ!!

 そ、それにしても…。

 しかも下はスカートで、脚は白のストッキング。脚のラインが出て恥かしすぎるっ!

 肩と胸元なんて大きく露出までしちゃっているから恥かしいなんてものじゃないよっ!

「「「や、やべぇ…」」」

「……あぅ……ご、ごめん3人とも、鼻血は拭いてよね……」

 幼なじみの男子3人に興奮される僕ってどうなんだろう…。

 

 

――女子寮の暗い廊下をしのび足で歩き、ようやく小毬さんの部屋の前に到着した。

 その間、なぜか僕以外の3人はダンボールを被って移動していた。

 こうすれば万が一誰かと遭遇しても大丈夫…らしい。

「……よし、入るぞ……」

 中に入ると小毬さんと笹瀬川さんがそれぞれのベッドでスヤスヤと寝ていた。

「メリークリスマス、小毬」

 枕元にそっとラッピングされた箱を置く恭介。

「中身は?」

 つい好奇心から聞いてしまった。

「新しく出来たケーキ屋のケーキだ」

 小毬さんらしいチョイスだった。

 明日、嬉しそうにケーキを食べる小毬さんの顔が思い浮かぶ。

「オレも小毬にはプレゼントがあるんだぜ」

「え、真人が?」

 真人がさっきから背負っていた大きな袋からずっしりとした何かを取り出した。

「それ…ダンベルだよね?」

「おうよ。こいつ筋肉ねぇからな。これで鍛えてもらおうと思ってな」

 …絶対嬉しくないプレゼントだ。

「よし、コイツを枕元にそっと…」

――ツルッ!

「あ」

 真人の手からダンベルが滑った。

 

――ズシッ。べちゃ。

 

「……」

「……」

 穏やかに眠る小毬さんの横で、ダンベルがケーキに突き刺さっていた。

「……ダンベルがそそり立ってるね……」

「そそり立ってるな……」

「でかいロウソクだと思えばいいんじゃね?」

「本体よりでかいからね…」

「もう替えはないからな。仕方ない。これをもってプレゼントとしよう」

 

 続けて横に眠る笹瀬川さんだ。

「笹瀬川さんには?」

「これだ」

 恭介が取り出したのは手紙?

「相川君から預かってきた」

「なんでもメルアドを教えてもらったのはいいが、メールが返ってこないらしくてな」

「相川君が言うには『メールを返すだけなのにそんなに照れなくてもいいのに。そんな恥かしがり屋さんなところがさーちゃんらしいけどね。あ、ぶきっちょなのかもしれない。うはっ萌えっ! いいよいいよ、古風に僕の愛のポエムで僕らの気持ちを確認し合おう』だそうだ」

 相川君、考え方がポジティブすぎるよ…。

「こいつは笹瀬川の枕の下にでも入れておくか」

 入れた瞬間。

「……むにゃ……うーんっ……うう~ん…っ…うううう……」

「お、すげぇ喜んでるじゃねぇかっ」

「相思相愛なのかもしれんな」

「僕にはめちゃくちゃ悪夢にうなされてる様に見えるけど…」

 

 

――続いてクドの部屋だ。

「ん?」

 ガチャ、ガチャ。

 鍵が掛かっていた。

 そりゃそうだろう。小毬さんが無用心なだけだったんだと思う。

「恭介、鍵も掛かってるしそろそろ戻……」

――ガチャガチャ……カチ。

「開いたぞ」

「って、針金なんて使って開けないでよっ!?」

「さすが恭介だなっ」

「よくわからんスキルがあるからな、こいつは」

「だろ?」

「だろ、じゃないからぁーっ!」

 これじゃサンタというよりただの侵入だっ!

 部屋に入ると。

「あれ、クドのベッドに誰もいないよ?」

「おかしいな、確かに自分の部屋に戻ったはずだが…」

 目を移していくと。

「うおっ!?」

「む…っ!」

 クドがいた。

 佳奈多さんのベッドで一緒に寝ていた。

 ただ……。

 

「すぅ、すぅ、すぅ……クドリャフカぁ…んん…」

「くぅ、くぅ……もっとなでなでしてほしいです……むにゃむにゃ……」

 佳奈多さんがクドを抱き枕のようにしっかりとその胸に抱きしめていたっ!

 

「見てはいけないものを見ちまった気もするが……メリークリスマスだ。二人とも」

 そっと恭介が二人の枕元に小さな袋を置いた。

「あれ、二人とも同じもの?」

「ああ」

「二木に能美のことを聞いたら、どうやら恋愛に悩んでいるらしくてな。恋愛成就のお守りだ」

「能美には二木のことを聞いたんだが、どうやら二木もこっそりと恋心を燃やす相手がいるようでな。そのお守りだ」

「そうなんだ」

 ベッドサイドに飾られている綺麗な百合の花が視界にちらつく。

「それは成就していいものなのか?」

 僕も謙吾が思うような危惧を抱いちゃったよ…。

 

 

――続いて、来ヶ谷さんと葉留佳さん、そして西園さんとプレゼントを配った。

 三人ともドアを開けた途端に目が冷めたんだけど、僕を見た瞬間に大量の鼻血を噴出。

「……ハッピークリスマス……」

 と言い残して血の海に倒れこんだ。

 その顔はとても幸せそうだった…。

 どうやら恭介はそんなことも計算済みだったようだ。

 ちなみに葉留佳さんのプレゼントはアフロのズラ、来ヶ谷さんは写真(何の写真かは僕だけ教えてもらえなかった)、西園さんは薄い本の束だ。

 

 

――最後。

「……むにゃむにゃ……ぐ~……」

「相変わらず鈴は寝相が悪いね」

 最後は鈴の部屋だ。

「ん? 恭介、もうプレゼントがねぇぞ?」

 見ると袋はカラッポだった。

「ああ。鈴へのプレゼントはここにあるからな」

「?」

 どう見ても恭介も何も持ってないように見える。

「鈴のプレゼントはな…」

 恭介が鈴の布団に手を掛けた!

「俺自身さ!」

 そして鈴の布団に入った!!

「えええええええぇぇぇーーーっ!!」

「朝起きると隣にお兄ちゃんが…こういうシチュエーションに妹は存外オギオギしちまうらしい、とマンガ本に書いてあった」

「いやいやいやいやっ!?」

「こいつアホだろ…」

「奇遇だな…俺も真人と同意見だ…」

「なんとでも言ってくれ」

 呆れる僕たちと、完全に満足気の恭介の顔。

「俺は可能性がゼロでない限り挑戦をする!!」

 言っていることだけみるとカッコイイけどなぁ。

 実際は妹の布団にもぐりこんでいる変態お兄ちゃんだ。

「まさか、これがやりたいためだけにサンタ計画を立てたんじゃねぇよな?」

「俺はみんなの喜ぶ顔を見たかっただけさ」

 その布団から出ている爽やかで曇り一つない顔は、胡散臭すぎだった。

「じゃあ……僕たちは帰るけど……」

「ああ」

「明日の朝には仲良しこよしの俺たち兄妹の姿を見せ付けてやるぜっ!」

 

 

 次の日の朝。

 僕の目を覚ましたのは、恭介入院の知らせだった…。