読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

SSブログ TJ-Novelists

アニメやマンガ、ゲームから妄想したSS(ショートストーリー)を書き綴るブログです。

Traffic Jam Products

102.あーちゃん先輩のイメージ

 #あーちゃん先輩でひと妄想をばw

f:id:m_training:20150112171551p:plain

 

――放課後の寮長室。

 毎度ながら、今日も棗くんに寮会の仕事の手伝いを頼んでしまった…。

 

「OK」

 ふぅ、と一息吐き出す棗くん。

「こっちの終わったからな」

「え、うっそ!? あんなにあったのに、もう終わっちゃったの!?」

「だから任せろって言ったろ?」

 ポンポンと書類を揃えながら、いつものフッとしたクールな笑み。

「棗くん様様ねえ。ホント…よいしょっと…棗くんがいると仕事がはかどるわぁ」

「…………」

 棗くんが片眉を上げてわたしの横顔を見つめている。

「どしたの?」

「…なあ」

「ん? なあに?」

「おまえの机から、また書類の束が俺のところに置かれたんだが」

「あら……もしかしてバレた?」

「バレバレだろ、どう考えたって」

「いいのよぉ、遠慮しなくて」

「かの賢人も言ったじゃない。『おまえのものは俺のもの』って」

「その名言の使い方、間違ってるからな」

「そうだっけ? なら、これ、わたしの名言ってことでお願い」

 溜息しながらの苦笑いが浮かんでいる。

「ま、おまえの名言ってことにしといてやるから…こっちの束は自分でやれよ」

「もう、棗くんはホントわがままねぇ。思いやりの精神ってものがないのかしら」

「毎度毎度俺を呼び付けるおまえには言われたくないさ」

「痛いところついてくるわねぇ」

「わかったわよ。仕方ない」

「はぁぁ…それは仕方なくわたしがやるからいいわ」

「元からおまえの分だからな」

「じゃあ、棗くんには別のお願い」

「マジか…」

「そうねー…わたしの肩もみ、なんてどう? 最近こっちゃってて」

 肩を抑えながら首をクルクルと回す。

 そんなわたしを見て、はぁ…、と棗くんは深々と溜息をついている。

「……わかった。やってやるから、ちゃんと残りの書類は自分で片付けろよ」

「はいはい」

 

――棗くんの大きな手がわたしの肩を程よい力で刺激している。

「あー、そこそこ、そこいいわぁ…」

「結構こってるな」

「そうなのよ、ここんとこプレステのダブルキャストにハマっちゃって」

「ゲームかよ…」

 不意に手がどけられた。

「うそうそ、やめないでよ、冗談よ。新年度だから新入生関係ので忙しかったの」

「で、帰った後はゲームな」

「そうそう、寝る暇も惜しんで……って、いいじゃない、そこは」

「俺もゲーマーだしな。気持ちは…、わ、か、る、と」

 テンポよく棗くんの親指が肩を刺激して…正直、気持ちよすぎる。

「あ、いいわぁ…疲れてるのに止められないのよねぇ、ゲームって」

「寮会も忙しいんだ。ほどほどにな」

「棗くんに注意されるなんて、わたしも焼きが回ったものねえ」

「そら、もういいだろ」

「あー…うん、大分いいわ。ありがと、棗くん」

「ったく」

「いいように俺を使うなんておまえくらいだからな?」

「棗くんって、ホントものが頼みやすくて。毎度毎度ごめんねー」

 

――棗くんが帰った後、わたしはいつものように書類もやらずに机に伏した。

「あーちゃん先輩」

「なぁに、かなちゃん」

「……」

「なによ?」

「気付かないと思いますよ。棗先輩、どう見ても鈍いですから」

「……はぁ」

「はっきり言えばいいじゃないですか」

「なにをよ?」

「好きって。棗先輩に」

「……はぁ」

 窓の外のグラウンドを見ながら大きく溜息。

 

「それが言えたらこんな苦労しないわよ……はぁ……」