#百合展開はいかがでしょうか?>妄想スタートw
「お姉ちゃん、いる?」
放課後の委員会室。
ドアの向こうから葉留佳の声がした。
「どうぞ」
ガラガラ~。
「今、お姉ちゃん一人?」
ドアから顔だけ突っ込みキョロキョロとしている。
「そうだけど。何の用?」
委員会室に入ってきた葉留佳の顔は…何か企んでいる顔だ。
「えーっとですネ、コレ」
「じゃーんっ!」
葉留佳が取り出したのはポッキーだった。
「一緒に食べよ?」
「はあ、あなたね…」
いつからだろう。
ついつい葉留佳を甘やかしてしまっている。
「…仕事もひと段落したことだし、付き合ってあげるわ」
「わーい、やったやったーっ」
やっぱりこんな嬉しそうな顔をされると断れない。
「お姉ちゃん、こっちこっち」
二人で肩を並べて床に座る。
「はい、どーぞ」
「ありがと」
――静かな教室で姉妹揃ってポッキーを食べる。
「学校で食べるお菓子というのも乙なものね」
「でしょでしょ」
「あ、そだ」
「お姉ちゃん、ゲームしない?」
「ゲーム?」
「うん。ポッキーゲーム」
「ポッキー…ゲーム…?」
「えー!? まさかお姉ちゃん、ポッキーゲームも知らないの!?」
その反応にギクリとする。
「し、知ってるわ、それくらい!」
「ホントに~?」
「も、もちろんよ」
本当は全く知らないけど、葉留佳に合わせていればどんなゲームかはわかるわね。
「じゃあ、やり方はダイジョブだよね。まずポッキー咥えて」
「わ、わかってるから」
葉留佳に言われた通り、ポッキーを咥える。
「ほら、目を閉じて閉じて」
言われるがまま目を閉じる。
「知ってると思うけど、ちょっとでも動いたら罰ゲームだからね」
動いちゃいけないゲームなの…?
「…………」
葉留佳が静かになる。
…い、いったい何をする気…?
――ピトッ!
ほっぺに手か何かが添えられた!
「ゃっ」
驚いた拍子に、口に咥えていたポッキーを落としてしまった。
「ちょっと、お姉ちゃんーっ」
「何するのよっ、いきなり」
「ありゃ? このゲームを知ってるならわかるよね?」
「…ぐ…」
「動いたから罰ゲームだね罰ゲーム」
「わ、わかってるわよ…」
「じゃ、またポッキー咥えて目を閉じて」
さっきのようにポッキーを咥えて目を瞑る。
――ピトッ
また頬に手を添えられたが、今回は動かなかった。
「やはは、合格ですネ」
これはつまり何をされても動いちゃいけない…言わば根性試し的なゲームね、きっと。
「もうちょっと顔突き出して」
「…ん…」
言われた通りにする。
「うわー…目を瞑りながらポッキー咥えてるお姉ちゃん…とっても可愛いですヨ」
私の神経を逆撫でして動揺させる作戦ね。
そんな手には乗るわけがないでしょう?
「……」
葉留佳が静かになる。
どうしたんだろう、と考えていたら。
「可愛いよ…お姉ちゃん」
いつもと声質が違う。
イタズラっぽく楽しそうで、それでいてどこか艶かしい声。
オレンジの香りが近づいてくる。
「お姉ちゃん」
「…ん…っ」
私の頬に、葉留佳の頬がつけられた。
「いっしょにさ、ポッキー食べよ?」
葉留佳の熱い吐息がかかる。
「ポッキー食べるけど、お姉ちゃんは絶対ぜーったい動いちゃダメだからね」
「わかった?」
「…んんっ…」
「あはっ、お姉ちゃん顔赤いよ? どーしたの? なんで?」
今すぐ目を開けてゲームを止めよう、そう思ったけど……
この後何をするのかも気になってしまった。
!?!?
これ以上暴走すると間違いなくR指定と化してしまいますのでここまでw