SSブログ TJ-Novelists

アニメやマンガ、ゲームから妄想したSS(ショートストーリー)を書き綴るブログです。

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135.ふてかな!

#シチュ:葉留佳と佳奈多の誕生日。けど本当は佳奈多は二人っきりで祝いたかったのです!

 #タイトル『ふてかな!』

 

「やーやー、みんなにお祝いしてもらってサイコーだったねっ」

 夜、私とお姉ちゃんの二人部屋に入りながら私はそう言った。

 さすがみんなデスヨ。

 放課後から夜11時までノンストップですヨ、ノンストップ。

「……」

 楽しかったのにもかかわらず、お姉ちゃんはどこか虫の居所が悪そうだ。

「あの真人くんと謙吾くんの筋肉ミュージカルなんて夢に出そうだったよね、お姉ちゃん」

「……ふん」

 お姉ちゃんは部屋に入るなり、無言で機嫌悪そうにベッドにボフンッと腰を下ろした。

「どうしたの、お姉ちゃん?」

「…なんでもない」

 お姉ちゃんは思っていることが顔に出やすい。

 明らかに『なにかありますよー』という顔だね、こりゃ。

「お姉ちゃんってば」

「…なんでもないわよ」

 ぷいっ、とあさっての方向を向くお姉ちゃんなんだけど……こういうときは大抵かまって欲しいときの合図だ。

 お姉ちゃんと一緒の部屋になってから初めてわかった。

 ……お姉ちゃんはかまって欲しい時ほど、こんなふうにツンツンするのだ。

「お姉~ちゃんっ、抱きつき攻撃だーっ」

 後ろからギュッと手を回す。

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「…」

 ほらね。

 私が手を回すとすぐにお姉ちゃんは、くてーっと私に身体をあずけてきた。

「ねぇねぇ、一体全体どうしちゃったの?」

「……ふん」

 口を尖らせているお姉ちゃん。

「なんか私、いやなことしちゃった?」

「……」

「……」

 お姉ちゃんがちょっと俯いたかと思ったら、小さく口を開いた。

「……今日はせっかく二人でお祝いしようって言ったのに」

「へっ!? あ…そういえば」

 あちゃぁ……。

 そういえばお姉ちゃん、そんなこと言ってワクワクしてたっけ!

「二人で誕生日ができると思ったのに、葉留佳ったら授業が終わったらみんなのところ行っちゃったし……」

「せっかく一緒に食べるケーキまで買ったのに……」

「奮発してシャンパンまでかったのに……」

 ぷんっ、とほっぺを膨らませた。

「葉留佳は私なんかと二人より、みんなといっしょがよかったんだもんね」

 あ。

 うわぁ……だから部屋のテーブルの上には綺麗なお皿とグラスが二つ上がってたんだ。

「…ふん、だ」

 すっかりふてくされモードになってしまっているっ。

「お姉ちゃん、今からでも二人でお祝いしよ?」

「もう12時になっちゃうもん」

 時計を見ると確かにあと少しで13日も終わり間近だった。

「あ、けどまだ15分ありますヨ! だから、二人で一緒に乾杯して、一緒にケーキ食べよ?」

「…………」

 あ。お姉ちゃんのモジモジが消えた。

 あと一息ですネ、これは。

「私、お姉ちゃんと一緒にケーキ食べたいなー。あと、あーんとかもやりたいなー」

「…………ほんと?」

「ホントもホント、今日という日を二人だけで締めくくろうよ」

 ね?とお姉ちゃんをキュッと抱きしめた。

 

「……」

「……うん」

 嬉しそうに無垢な笑顔を溢すお姉ちゃん。

 

 ウチのお姉ちゃんは学校を一歩出ると、こんなに甘えんぼ。

 だけど、最高のお姉ちゃんだ。

 

 

 普段はアイアンメイデンとか呼ばれていそうな佳奈多ですが、二人っきりになると甘えんぼモードに!

 mはこんな佳奈多をギュッとしたデス(待てw