SSブログ TJ-Novelists

アニメやマンガ、ゲームから妄想したSS(ショートストーリー)を書き綴るブログです。

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120.天元突破ささみちゃん・アナザースターティング  ~はじまりは耳掃除編~

#シチュ:いつものごとくバトルが絶えない鈴と佐々美。今日は立会人の下でバツゲームをつけて勝負しました。

 #そして鈴が負けて…。

 

 

――ズベシーンッ!

 

「勝負あり! 勝者、笹瀬川女史!」

「おーっほっほっほ! 棗鈴、その程度でわたくしに勝てると思って!」

「ううう……さささなんかに負けてしまった……」

「鈴、大丈夫? 立てる?」

「すまない、理樹」

 僕は片ヒザをつけている鈴に駆け寄り、鈴に肩を貸した。

「はあ……」

「理樹、どうしたんだ?」

「二人とも、もっと仲良くなれないものかなって思って」

「それは無理な相談だな」

「それは無理ですわ」

 こういうときだけ意気ぴったりな二人だ。

 

「――では鈴君、悪いが約束は約束だ」

「……罰ゲームをしてもらいます」

 西園さんが鈴に箱を差し出した。

 箱の上部には片手が入るくらいの穴。

「なんだこれは?」

「……はい、この中には罰ゲームの内容が書かれた紙が何枚か入っています」

「……その中から一枚だけ選んでください」

「うみゅ、わかった」

「棗さん」

 笹瀬川さんが、ふぁさ、と右手で髪を払う。

「何が出ても文句は言わないようにしてくださるかしら」

「誰がそんなセコいことするかっ!」

 そう言いながら箱の中に手を突っ込む。

「みゅみゅみゅ…これだっ!」

「ふむ、どれどれ……」

 

 『笹瀬川女史に耳掃除をしてもらう』

 

 ……。

 一瞬何が起こったのかわからないといった沈黙。

 鈴だけではなく笹瀬川さんまであんぐりと口を開けている。

 ……対照的に来ヶ谷さんと西園さんの口は意地悪げにニヤリと釣り上がっている。

 

「「はぁーーーーーーっ!?」」

 二人が揃って絶叫していた!

「あっ、あたしはそんなの――」

「なんだ鈴君、先ほどそんなセコいマネはしないと言っていた気がしたが…」

「あれは私の気のせいだったのか」

「うみゃ!?」

 両手でポンと口を押さえる鈴。

「も、文句は…ない」

 不満そうだ。

「な、なんで勝者のわたくしがそんな屈辱的なことをしなければならないんですの!?」

「わ、わたくしだって棗さんの耳掃除なんてまっぴら――」

「……笹瀬川さん、あなたはご自分で『何が出ても文句は言わないでくださるかしら』と言ったばかりではないですか」

「いえ、それは……くっ……」

 苦虫を噛み潰したような顔をする笹瀬川さん。

「……もちろん敵前逃亡をしても誰も文句はいいませんよ」

「はぁ!? 何をおっしゃっているんですの!?」

「……では笹瀬川さんも了解といことで良いですね?」

「当ったり前ですわっ!! やってやろうじゃありませんこと!」

 上手いように二人の口車に乗せられてるような気がするのは僕だけかな…。

「来ヶ谷さん! どうやってやれば良いのかしら!?」

「そうだな…」

「理樹君、そこにイスを3台並べてくれ」

「あ、うん」

 来ヶ谷さんに言われたとおり、イスを横に3台並る。

「これでいい?」

「ああ」

「では、そこに笹瀬川女史が座り、鈴君がイスに横になって笹瀬川女史のヒザに頭を乗せてくれ」

「わかりましたわ」

 笹瀬川さんが端のイスに腰掛ける。

 そして鈴も笹瀬川さんとは逆の端のイスに腰を下ろした。

「……」

「……」

 すごく気まずそうだった。

「では鈴君」

「っ!」

 鈴がピクンと反応する。

「笹瀬川女史のヒザに頭を乗せるんだ」

「う…」

「まったく気乗りしないが、の、乗せるぞ」

「わ、わたくしだって最高に嫌な気分ですわっ!」

 

――ギギギ

 

 壊れた機械のように体が動いたけど…体が10度くらい傾いただけだった。

「どうやら限界が来てしまったようだ……残念だ」

「鈴君、笹瀬川女史のヒザから1mは離れているぞ」

「エアひざまくらだ」

「うわ、また新しい言葉だね…」

「棗さん、お嫌でしたらしっぽ巻いてとっとと逃げても構いませんわよ?」

「なにぃ!?」

 また二人の間に火花が散っている。

「……鈴さん、女は度胸です」

「わかった、あたしの度胸を見ろっ」

 

――ギギッ、ギギギギギ…

 背筋を伸ばした鈴が、機械仕掛けのように徐々に傾いていく。

――ぺと。

 

「「ひやぁっ!?」」

 鈴の顔が笹瀬川さんの太ももに着いた瞬間、二人とも電流が走ったようにビクンと体を反応させた!

「……」

「……」

 うわ…。

「鈴君の顔がすごいな…」

「……はい、まさに借りてきたネコでしょうか」

 二人の言うとおり、笹瀬川さんの膝に頭を乗せて戸惑っているような驚いているような顔をしている。

 目なんて真ん丸だ。

 全身なんて瞬間冷凍されたカチンコチンのマグロを連想させる。

 笹瀬川さんは笹瀬川さんで、鈴に触れないように両手を挙げて固まっている。

 普段は懐かないネコがヒザに飛び乗ってきたかのような驚きの表情だ。

 

「で、では」

 ぎこちなくだけど、ようやく笹瀬川さんが動き出した。

「や、やりますわよ」

「く、くるならきてみろっ」

「言われなくてもやりますわっ!」

 笹瀬川さんが耳かきを構えて、鈴の耳へと近づけていく。

 そして。

 

――くりっ

 

「ふみゃぁっ!?」

 しびれた様にピーーンッと鈴の固まってた脚が伸びたっ!

 手も指先までビシッと伸ばされているっ!

「ちょっと棗さん、動かないでくださる!?」

「うううう、動いてなんかないぞっ」

「も、もう一度いきますわよ」

「こ、こいっ!」

 鈴の体は鉄の棒を入れられたかのようなピンとした姿勢だ…。

 

――こり、こり

 

「うみゃぅ、ふみゃぅ!?」

 佐々美さんが手を動かすたびに鈴の体がビク、ビクと反応した!

 

――くりくりくり

 

「みゃぅっ!? はみゃっ!?」

 初めての感覚に戸惑っているような鈴の声。

「エロいな……」

「……はい、とても」

 って、来ヶ谷さんと西園さんは恍惚とした表情で瞬き一つせずに二人を見つめてるし!

 この光景は…見ているこっちが恥かしい!

 

――かりっ

 

「にゃぅっ!?」

「あら…?」

 笹瀬川さんは、自分の手を動かすたびにビクビク反応している鈴を見て、妙に嬉しそうな顔になってきてる!

「…棗さん、ここはどうかしら?」

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「ふみゃぅーっ」

 笹瀬川さんが耳かきを動かした途端、鈴の体が伸びる。

「もしかして耳が弱点かしら?」

「ち、違うぞっ!」

「へぇ…そうなんですの」

 

「……どうやら笹瀬川さんにはSっ気があるようですね」

「そ、想像していたよりもかなりエロいな…」

「……鼻血が出てますよ?」

「西園女史もな」

「う、うわっ!? 二人とも大丈夫なの!?」

「ああ、昨日はレバーを食べてきたから問題ない」

「……わたしはリポビタンです」

 来ヶ谷さんと西園さんの鼻からは止め処なく鼻血が流れ出ている…。

 献血が出来そうな勢いだ。

 

「別に耳が弱点じゃないのなら、これくらい大丈夫ですわよね?」

「な、なにをする気だっ」

 笹瀬川さんの空いているほうの人差し指が鈴の耳たぶに当てられた。

「みゃっ!」

 それだけで鈴が敏感に反応する。

「柔らかいですわね…ほら、ぷにぷに」

 鈴の耳を摘まむ。

「うみゃぁ…くっ、くすぐっ…」

「くすぐっ…なんですの? やっぱり耳が棗さんの弱点でしたのかしら?」

「ち、ちがうぞ…ぜ、ぜんぜんへーきだ…」

「そうなんですの?」

「こうも柔らかいと遊びたくなってしまいますわ。ぜんぜん平気なんですからいいですわよね?」

 鈴の耳たぶをプニプニと摘まみながら意地悪に語りかける笹瀬川さん。

「あ、あたしの耳で遊ぶなーっ」

「あなたの言うことは聞いてあげませんわ」

「耳たぶプルプルプル~」

 人差し指で鈴の耳たぶをプルプルと弾いて遊び始めた!

「うみゃうぅ~っ」

 あれ?

 どことなく鈴は気持ちよさそうにしている。

「あら棗さん、動いたらあなたの負けですわよ」

「う、動いてないぞ」

「ほら、プルプルプル~」

「みゅみゅ~っ」

 遊んでもらっているネコみたいに体をクネクネしている鈴!

「動きましたわよ?」

「う、動いてないっ」

「ふーん、もう一回プルプルプル~」

「みゃう~うみゃう~~…」

「どうですの、気持ちいい?」

「ぜっ…ぜんぜん気持ちくないぞっ、ホントだぞっ」

 鈴の顔が緩んでるしっ!

 ちなみに既に僕の隣では来ヶ谷さんも西園さんも血の海に倒れこんでいる!

 この失血量だともうダメかもしれない!

 

「次は耳掃除をしながら耳たぶで遊んであげますわ」

 それを聞いた鈴の目から期待の色が発せられる。

「……」

「……」

 止まる笹瀬川さんの手。

「……」

「……」

「さ、ささみ」

「なんですの?」

「……」

「……」

「…ま、まだなのか?」

「あら、嫌なんじゃないですの?」

「……」

「まさか…やってもらいたいのですの?」

「……」

「はぁ…何も言わないんでしたら、わたくしも疲れましたしこれで終了ですわね」

「…う、うーみゅ…」

「なんですの? なにか言いたいことでもありますの?」

「さ、ささみ」

「…なぁに…?」

「……………………もっと……………………」

「もう…仕方ない子ですわね」