#パジャマパーティーの日のことでした。
「……理樹め、真っ先に寝ちゃったぞ」
「ふえぇ、着替えもまだなのにね」
「先程まで理樹君だけをいじりにいじりまわしたからな。疲れたのも無理はあるまい」
――今、私ことおねーさんの前では理樹君がすやすやと寝息を立てている。
「む~っ、すごい気持ち良さそうな顔っ」
葉留佳君が理樹君の顔を除きこんだ後。
「こらーっ、夜はまだまだなんだから起きろー、起きるのだーっ」
理樹君の両脇から腕を挟み、理樹君の上体を無理矢理起こした。
「おいおい、せっかく寝ているんだ。寝ている理樹君にイタズラを…」
私がそういった瞬間だった。
「あっ」
葉留佳君の抜けた声。
ズルッ。
突然の衝撃。
あぐらをかいた脚にドスリと重さが掛かる。
胸が圧迫される。
何が起こった…?
ゆっくりと自分の様子に目を向けると。
理樹君が私の胸に顔を突っ込んでいた!
「~~~~~~っ!?」
あまりのことに声すらでない!
か、体が動かん!
なっ、なんだこの状況は!?
今までなんだかんだ言っているが……。
私はまだ男性とその…なんだ
手すら繋いだことがないのだぞ!
そっそっそっそっそれをっ……!
む、胸に顔だなんてっ!!
自分の体温がドンドン上昇していくのがわかるっ!
意識をしていないつもりなんてないが……
どうしても意識が胸の間のぬくもりにいってしまう!
「だ、誰かっ、り、理樹君を、わ、私から離してくれっ」
それを言うのが精一杯だった。
だが。
――きゅっ!
「むにゃむにゃ…んん……っ」
気持ち良さそうに寝ている理樹君が優しく私の腰に手を回してきた!
しかも!
「むにゃむにゃ……あったかい……ん~ん~」
――むにゅりむにゅり
「……っ! ……っ!」
「ん~ん~~」
――もにゅもにゅ
「……っ! ……っ!」
「んゆ~んゆ~」
――ふよふよふよ
「やっ…やめて…くれっ」
理樹君がっ!
理樹君がっ!
顔を、グリグリと押し付けてくるっ!
「……エロ過ぎます……パシャリと」
「ふえぇぇー、はるちゃんどうして私の目を隠すのーっ」
「あ、あたしも目隠しされたっ! どうなってるんだっ!」
「良い子は見てはいけません」