#シチュ:恭介と西園さん、いつのまにやらお付き合いすることになって、現在最高に安定期なのです。
「……どうぞ」
お茶碗にご飯をよそい、彼に手渡す。
「サンキュ」
一瞬指先が彼の指先と触れ合う。
……未だにそんなことに胸が高鳴る自分。
――ここは家庭科部の部室。
今日はここに恭介さんとわたしの二人だけ。
たまにみなさんが気を使ってわたしたちを二人きりにしてくれるのですが……。
まったく…。
余計なお世話です。
「……では」
「「いただきます」」
ちゃぶ台に置かれた鍋を囲む二人。
わたしは正座、彼はあぐら、向かい合う形。
「大根は圧力鍋で仕込みしておいたからな」
「バッチリ染みてるぜ」
「……ほう、それは楽しみです」
彼一押しの大根を小皿に取る。
「……では」
箸で大根を小口サイズに切り、口へ。
「あっ…」
口に運ぶ途中で手皿の上へと大根を落としてしまった。
「あつっ」
「大丈夫か?」
私の隣へ、彼が寄り添う。
「……はい、やけどはしなかったようです」
「ならいいが」
心配そうだった彼の顔が綻ぶ。
「結構ドジなのな」
「放っておいてください」
わたしを包み込みそうな優しい笑顔の彼が、人差し指の背でわたしの頬を撫でる。
「くすぐったい…です」
口ではそう言うけど、その心地よい感覚に身をよじる。
自分の顔に朱が差し込み始めているであろうことは…彼の顔を見ればわかる。
「このままおまえの横にいても?」
「……恭介さんのお好きにしたらいいと思います」
クスリと笑うと、今まで頬を撫でていた指でわたしの髪をサラリと揺らす。
「……シャンプー、変えたのか」
「……今回は気付いてくれましたね」
――今日も小さな幸せ、もらってしまいました。
以上w
みおちんには、このようなしっとりとした空間が似合う気がします。
時間がゆっくりと流れる…小さな幸せが心を満たしてくれる、そんな空間w