SSブログ TJ-Novelists

アニメやマンガ、ゲームから妄想したSS(ショートストーリー)を書き綴るブログです。

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140.逆襲の鈴

#いつも負けている鈴は…。

 

 

「うみゅ…」

 今日もメンバー集めに行ってざじずぜざざこに負けてしまった…。

 理樹の部屋のドアを開けると、理樹たちの目があたしに向けられた。

「うわ…今日もこっぴどく負けたね」

「鈴、靴下の片方はどうしたんだ?」

「ざざみに戦利品だってとられてしまった…」

 片足だけぺたぺたしてヤな感じだ…。

「マジか…また新しいの買わないといけないじゃないか」

「文句ならざざみに言えっ!」

「おめぇが弱っちいからんなことになんだよ」

「なにぃ…」

「…うみゅ、今日はおまえの相手する気にもなれん」

 お気に入りの隅っこに行って腰を下ろした。

「うおっ!? いつもなら蹴ってくる鈴がこねぇぞっ!?」

「ふむ、これは重症かもしれんな」

 剣道馬鹿にまで心配されてしまった。

「ねぇ恭介、なにかいい方法ないかな?」

「そうだな…」

 腕を組んでなにか考えているきょーすけ。

「――鈴、笹瀬川に勝ちたいか?」

「あたりまえだっ!」

「OK」

 フッ、といつもみたいにきょーすけが笑った。

「あの方法を使うとするか」

 

「――きょーすけ」

 あたしと理樹ときょーすけと馬鹿二人はテレビの前に座っている。

「きょーすけ」

「ん? どうした、鈴?」

「あたしはざざみに勝ちたい」

「ああ、わかってる」

「テレビでボクシングを見るだけで勝てるのか?」

「勝てる」

 きょーすけが自信満々に頷いた。

 そうだったのか…。

 あたしに足りなかったのはボクシングを見ることだったのか。

 目からうろこだっ。

――テレビでボクシングを見ていると。

 ふみゅ?

 戦ってる奴らが抱き合って試合がストップしたぞ?

「こいつら何してるんだ?」

「何ってそりゃおめぇ『さばおり』に決まってるだろ」

「さば缶?」

 筋肉馬鹿が呆れたような顔をあたしに向けている。

「ちげぇよ、世界最強の国技SUMOUの技だぜ」

「あまりにも最強な技だから、ほれ、レフリーが止めに入ってるじゃねぇか」

「なにぃ…」

 うわっ、ホントだっ!

 馬鹿が言うとおりレフリーの人が止めてるぞっ!

「真人、うそ教えちゃダメだよ」

 そうだったのか…そんな技があるなんて知らなかった…。

「へ? うそなんて教えてねぇぞ、オレ」

「理樹、無駄だ。こいつは本当にそうだと思っているようだ…」

 キュピーンと閃いた!

 わかったぞっ!

「この技があれば勝てるぞっ」

 勢いよく立ち上がった!

「いやいやいや、鈴、真人の話は――」

「きょーすけはこの技をあたしに伝えたかったんだな」

「ご明察」

「って、恭介まで何を言ってるのさっ!?」

「ちょっとざざみをやっつけてくるっ」

「ちょっと鈴ーっ」

 理樹がなんか女々しいことを言ってたけど、あたしは聞かずに部屋を飛び出した。

 

 

――女子寮の廊下。

 そこでようやくざざみを見つけた。

「ざじずぜざざみーっ! あたしと勝負だっ」

「あ~ら、棗鈴。またわたくしにやられにきましたの?」

「今日のあたしは昨日までのあたしと一味ちがうぞ」

「ふん、一味違おうが二味違おうがわたくしの相手にはなりませんわ」

「そのセリフはやってみてから言ってもらおう……」

「なら、わからせてやるまでですわっ!」

 いつものようにざざみがすごい勢いで飛び込んできた!

 佐々美の腕が振り上げられて体に隙が出来たっ!

 ここだっ!

「しねーっ!!」

 あたしは思い切り踏み込んで、佐々美の懐に飛び込んだ!

「自分から近づ――!?」

 

――きゅっ!

 

 しっかりと佐々美に抱きついた!

「なっ……!?!?」

「これでもくらえーっ」

――きゅっ、きゅっ。

 腕に力を入れて、佐々美の柔らかい体をしめつけてやった!

「ひゃぅっ!?」

「しねーっ」

――きゅっ、きゅぃっ、ぎゅぅ~~~~~。

「ひゃぅ、やっ、な、な、な、な…………っ」

「どうだっ、降参かっ?」

 ざざみの顔がどんどん赤くなってきたっ。

「は……っ」

「離しなさいっ! このっ、放しなさいーっ!」

「ダメだっ」

「むきーっ!! 放しなさい、放して、放せぇーっ」

 さすが最強の技だなっ!

 めちゃくちゃ効いてるみたいだっ!

 しかも佐々美がふわふわしててくちゃくちゃ気持ちいいぞ。

「わかった、わかったから、降参しますから放しなさいっ!」

「仕方ない、そこまで言うなら放してやろう」

 

――ぱっ。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 真っ赤になっている佐々美が息をあげている。

 肩なんてプルプル震えてて、見てるだけで可哀想だな。

「ま、まさか初めての抱擁が女性、しかも棗鈴だなんて…」

 ん?

 なんか自分の体を抱いてブツブツ呟いてるぞ?

「な、な、棗鈴っ!! おぼえてらっしゃいっ!!」

 佐々美は半分泣きながら走り去った。

 あの佐々美をこんなに容易く負かすなんて、この技すごいな!

 うみゅ。

 これからは佐々美に会うたびにこの技を使えばいいな。

 

 

 以上w

 次から佐々美に会うたびに鈴は佐々美に抱きつきますwww

 そして佐々美が徐々に目覚めると!!!!(ぅぉぃ