SSブログ TJ-Novelists

アニメやマンガ、ゲームから妄想したSS(ショートストーリー)を書き綴るブログです。

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81.佐々美ちゃん・小毬の寝癖の迷宮(ラビリンス)

 

 

 #シチュ:こまりんの寝癖が直らない!

 

「うわぁぁぁん、さーちゃん~」

 朝のシャワーから上がってくると、神北さんがわたくしに泣きついてきた。

「なんですの、朝っぱらから騒々しいですわね」

「うわぁーん、だってね、だってね」

「髪を乾かしたいけど、もうブローは終わりましたの?」

「それなんだよ~」

「?」

「見てよ、これ」

 神北さんが髪に手を当てて、その手を離すと…。

 

 ぴよん。

 

 一束だけ髪の毛が外側に跳ねた。

「あら…」

「寝グセが直らなくて大変なんだよ~っ」

「ちょっとよろしいかしら?」

「うん」

 寝ぐせに軽く指を通し、周りの髪に馴染ませる。

「これでどうかし…」

 

 ぴよん。

 

「なおった?」

「な、なかなか強情ですわね…」

「うわぁーん、これじゃ学校いけないーっ」

「わかりましたわ、そこにお掛けなさい」

 神北さんをドレッサーの前に座らせる。

 まずは、と。

 ブラッシングでどうかしら?

「……」

「……」

 

 ぴよん。

 

「う、うわぁぁぁんっ」

「やりますわね…。次の手段いきますわよ」

 タオルを濡らし、30秒ほどレンジで温める。

「さーちゃん、それどうするの?」

「寝癖には蒸しタオルですわ」

「へぇ、そうなんだ」

 蒸しタオルを寝癖箇所に当てる。

「なんかホカホカして、直ってきてる気がするよ~」

「じゃあタオル外しますわね」

 

 ぴよん。

 

「……」

「……」

 

 すっすっすっ、ホカホカホカ。

 ぴょこん。

 

「う、うわぁぁぁーんっ! もうお嫁もらえないよーっ」

「こ、こうなったら最終手段ですわ……」

「どうするの?」

「切り落としますわ……フフ、フフフフフ……」

「ふえぇーっ、切っちゃだめーっ」

「ならこうする他ないですわね……」

 

 …………。

 ……。

 キーンコーンカーンコーン。

 

「うわっ、こまりちゃん髪型変えたのかっ!?」

「わふー…小毬さんがあぐれっしぶな雰囲気に変わっています!?」

「……イメチェンですか?」

「あの…これはね――」

「ほう、オール外ハネの小毬君も新鮮だな」

「うあぁーん、好きでこんな髪型にしたんじゃないーっ」